高二の頃、クラスメートの山根と電車に乗って、名古屋のレコード屋巡りの旅に出た。ちょうどその頃、このアルバムが発売されたばかりで、栄パルコのタワレコで試聴することが出来た。このアルバムはニルヴァーナの初期の音源をまとめた編集版である。当時、彼らのメジャーデビューアルバム「ネバーマインド」が全米1位になり日本でも話題になっていた。山根の推薦もあり試聴してみて度肝を抜かれた、、、なんなんだこれは、、、正直、当時の自分にはネバーマインドはあまりピンとこなかった。しかし、売れる前の彼らのこの音源を聴いて言葉を失ってしまった。ロックの初期衝動、荒削りのリアリティ、ハイセンスなユーモア、キャッチーなメロ、魂の叫び、、、こいつらスゲー、、、しかも簡単なスリーコードで曲が完成しているのだ。このアルバムがきっかけで自分でも曲を作ろうと思った。自分でもできるんじゃないのかと思ってしまったのだ。しかし、カートの何がすごいのか気づくのに十年以上もかかってしまった。カートはただ叫んでいるのではなく、音をはずさずに叫んでいるのだ。歌がめちゃくちゃうまいのだ。そう簡単に真似できる代物ではなかった。
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